摂食障害のホームページ

タグ : 糖尿病

【9】-5  妊娠全経過と摂食障害のカンケイ ② 摂食障害女性の産科的な合併症 その2 子どもへの影響

摂食障害の女性が妊娠したときに、お腹の子どもに起こりうる合併症としては、胎児奇形、子宮内胎児発育不全があります。

子どもが生まれるときに元気のない状態(低Apgarスコア)で生まれることもあります。

子どもが生まれてからは、低出生体重児、未熟児(早期産児)、周産期死亡率(早産による死亡や生後7日未満の新生児の死亡)の増加などが知られています。

摂食障害は、妊娠前から「やせ」であったり、妊娠中体重増加不良に陥りやすい病気です。

そのために子宮内胎児発育不全や低出生体重児、未熟児の増加があるのでしょう。

母体が妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を合併すると、胎盤がうまく働かなくなり、その影響でも子宮内胎児発育不全となることがあります。

未熟児として出生したり、出生後も呼吸障害など命に関わる重篤な病気を合併しやすくなります。

その結果、周産期死亡率は増加するでしょう。

また、胎児発育不全は子宮内低栄養の症状です。

おそらくその子どもは将来生活習慣病にかかりやすいでしょう。

【9】-5 妊娠全経過と摂食障害のカンケイ ① 摂食障害女性の産科的な合併症 その1 母体への影響

摂食障害女性の妊娠分娩経過には、さまざまな合併症が起こりえます。

母体側の合併症として以下のようなものがあります。

重症妊娠悪阻、流早産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剝離、妊娠糖尿病、帝王切開率の増加、産後うつ病の合併などです。

摂食障害の特徴としてのストレス耐性の脆弱さが、重症妊娠悪阻、流早産、常位胎盤早期剝離の発症と関係している可能性があります。

摂食障害に合併しやすい貧血も、早産と関係があります。

摂食障害の影響で肥満がある場合は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の合併、帝王切開率の増加もありうるでしょう。

摂食障害のために「やせ」があったり、妊娠中の体重増加が不良であることは、常位胎盤早期剝離のリスクとなります。

母親の「やせ」や体重増加不良に伴う低栄養が、妊娠初期の胎盤の形成に悪影響を与えると、胎盤がはがれやすくなってしまうのかもしれません。

また、妊娠初期の「やせ」に伴う低栄養や栄養の偏りが胎盤形成不全をまねくのであれば、妊娠高血圧症候群を発症する可能性もあります。

摂食障害にうつ病を併発しやすいことはよく知られた事実ですので、産後うつ病の発症は当然ありうることでしょう。

【9】-4 妊娠にふさわしい体格・体重増加 ⑪ 摂食障害とのカンケイ その6 妊娠前のふつうの体格の場合

摂食障害の妊婦さんの妊娠前の体格がふつうであることもあるでしょう。

体格がふつうでも、摂食障害があれば栄養の偏りがあるでしょう。

過食や過食嘔吐、チューイングによって、食道や腸など消化管に炎症が起きていたり、そこから出血したりしています。

体格がふつうでも、摂食障害の妊婦さんの身体は不健康なのです。

過食衝動の影響が強く出れば妊娠中の体重増加が過剰となるでしょう。

妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群を発症する危険があります。

やせ衝動の影響で、妊娠中に全く体重を増やせない場合もあるでしょう。

妊娠中の体重増加が過少である場合も妊娠高血圧症候群の罹患率が上がることが知られています。

妊娠中の体重増加の過少は常位胎盤早期剝離のリスクを上げるでしょう。

妊娠中の母親の体重増加不良から胎児が低栄養となれば、子どもは将来生活習慣病になりやすい素因を抱えることになるでしょう。

上述したように、妊娠前の母親の体格が肥満でも、妊娠中の体重増加はその後のお腹の子どもの生命予後を改善します。

妊娠前にちょうどよい体重であっても、妊娠中の体重増加が過少であれば、妊娠経過やお腹の子どもの将来に大きく影響します。