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【10】-3 2型糖尿病 ① 遺伝因子と環境因子と胎児期の環境が発症に関わる

2型糖尿病は、一般に広く知られている「糖尿病」のことです。

家族や知り合いが2型糖尿病、境界型糖尿病であったりして、「糖尿病」を知っている方は多いと思います。

2型糖尿病の発症には、遺伝因子と環境因子が関係しています。

欧米人と比較すると、日本人は膵臓のインスリンの分泌能力が低く、インスリン抵抗性がつきやすいという体質があります。

飢餓に強い倹約型の日本人として体質は、飽食の時代には2型糖尿病の遺伝因子となるようです。

また、両親のどちらか、あるいは両方が2型糖尿病であるならば、自身も2型糖尿病を発症しやすい遺伝因子を持っているということです。

環境因子としては、過食、肥満、ストレス、運動不足などがあります。

これらはすべて細胞のインスリン抵抗性を上げ、インスリンを効きにくくするものです。

遺伝因子と環境因子について説明してきましたが、もうひとつ2型糖尿病発症に大きく関わる因子があります。

それが胎児期の栄養環境、母親の子宮にいたときの栄養環境です。

低出生体重として出生したことや、胎児期に母体低栄養があった場合、それが2型糖尿病のリスク因子となります。

これは胎児の頃の環境が遺伝の発現に強く影響している、という点で、遺伝因子と環境因子、双方の特徴を持ちます。

2型糖尿病発症に関わる第三の因子、胎児期環境因子、とも言えるでしょう。

また胎児期の低栄養は、内蔵型肥満、高脂血症、高血圧などメタボリックシンドロームのリスク因子でもあります。

メタボリックシンドロームは、脳梗塞や心筋梗塞など重大な病気につながる動脈硬化になりやすいという疾患概念です。

さまざまな遺伝因子や環境因子、胎児期環境因子が絡まり、末端の細胞でインスリン抵抗性がつき、それを補うほどのインスリンを膵臓が分泌できないときに、2型糖尿病が発症します。

ごくごく一般的な生活習慣を送っていても、2型糖尿病発症に不利な遺伝因子を持ち、かつ胎児期に子宮内低栄養があった場合など、ただ年を取って行くだけで、加齢が環境因子として働き、2型糖尿病が発症しうるのです。

【10】-2 糖尿病とは ⑦ 高血糖の害 その2 糖異常代謝産物の害

もうひとつ、高血糖の害悪は、過剰な糖が代謝され生じる複数の物質が、血管障害や細胞障害性を持つことです。

通常であれば、血管内の糖はすみやかに肝臓や骨格筋でグリコーゲンに形を変え保存され、糖の余剰分は脂肪細胞に脂肪として蓄積されます。

糖尿病ではその行程がうまくいかず、食事のたびに多量の糖が体内をさまようことになります。

このあふれた糖が、異常な代謝経路に入ってしまい、血管障害・細胞障害性を持つ代謝産物の増加や活性化を引き起こします。

数多ある細胞に酸素や糖などの栄養を届け、物質をヤリトリするために、人の身体には血管が細かく張り巡らされています。

身体のすみずみの細胞にまで血流がゆきとどいた状態で、あらゆる臓器は正常に機能します。

高血糖はこの細かく張り巡らされた血管にダメージを与えるため、さまざまな臓器に深刻な障害が生じるのです。

糖尿病の三大合併症である糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害は上記により生じる微細血管障害、神経細胞障害が病気の本態です。