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【11】-2 摂食障害とアダルトチルドレンとしての特性 ②

摂食障害・過食症の方の多くが、アダルトチルドレンに共通した性質を持ちます。

摂食障害・過食症は食べることをコントロールできない病気で、食べ物や過食や過食嘔吐行為、チューイングに嗜癖する病気です。

アダルトチルドレンに嗜癖の問題が付きまとうことを考えれば、摂食障害の方の多くにアダルトチルドレンの特性があっても、なんの不思議もありません。

詳しくは成書にゆずりますが、アダルトチルドレンにはいくつかの特徴的な性質があります。

その性質がアダルトチルドレンを、過食や過食嘔吐行為、アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存など数々の嗜癖的行動へと駆り立てます。

摂食障害・過食症に万引きを合併しやすいことは良く知られていますが、このことにもアダルトチルドレンとしての特性が深く関わっています。

【11】-2 摂食障害とアダルトチルドレンとしての特性 ①

アルコール依存症者の親がいる家族では、その子どももアルコール依存症を発症しやすいことが広く知られています。

依存症の性質は親から子へ受け継がれうるものですが、すべてが目に見える形で受け継がれるわけではありません。

アダルトチルドレンとは、もともとアルコール依存症の治療現場から発生した概念です。

アルコール依存症者の夫から離れられない妻に注目すると、その妻の多くがアルコール依存症者の娘であったという事実が最初にありました。

狭義には、アダルトチルドレンはアルコール依存症者のいる家庭で子ども時代を過ごした大人のことです。

広義には機能不全家族の中で子ども時代を過ごした大人です。

アルコール依存症のように養育者に依存症の問題があったり、あるいは病気などで養育者が健常な親として機能できない家族が機能不全家族です。

アダルトチルドレンとは、「生きづらさ」を自覚した大人がその理由をたどり、その後の人生をより豊かに生きるためのきっかけともなるもので、診断のための医学用語ではありません。

ほとんどのアダルトチルドレンの将来には、常に依存・嗜癖の問題が付きまといます。

嗜癖とは広義の依存症のことで、「わかっちゃいるけどやめられない」性質のものです。

過食、過食嘔吐、チューイング、下剤誤用、利尿剤の乱用も嗜癖の一種です。

アダルトチルドレンはアルコール依存症や摂食障害、多重嗜癖のベースとなりえます。

アダルトチルドレンとしての特性から、アルコールや薬物、ギャンブル、過食嘔吐などの嗜癖的行動をくり返し、深みにはまった時、病院・医療機関での治療が必要となります。

【7】 過食のみはマシなのか

 過食嘔吐やチューイングが無い方々で、以下のように思っている方が多いようです。

Q)私は過食のみです。嘔吐が無いから、まだマシかな、と思うのですが。

A)
 あなたが、「過食のみ」の場合でも、DSM-5でいう過食性障害(むちゃ食い障害)である、とは言えません。
 過食後の絶食や極端な食事制限、過度な運動、下剤・利尿剤などの薬剤の誤用がある場合、DSM-5でいう神経性過食症や、神経性やせ症の過食排出型に相当するでしょう。
 過食嘔吐を主症状とする神経性過食症や神経性やせ症と同じ区分になるということです。

 まだマシかな、という考え方自体が、摂食障害の病的な心性であることを理解しましょう。
 過食衝動がある時点で、あなたが摂食障害という病気であることに変わりありません。
 摂食障害、中枢性摂食異常症は厚生労働省の定めた難病です。

 難病というひとつの枠組みのなかで、嘔吐していないからマシ、アルコール依存が無いからまだ大丈夫、などの比較は意味がありません。

 摂食障害は依存症としての特性もあります。適切な治療をせず放置すれば、依存する物質の種類・量がどんどん増えていくでしょう。
 自分自身を振り返れば、過食の症状だけを見ても、以前より増えていることが分かるはずです。増えていなければ依存するものが増えているかもしれません。
 数年前までは、アルコール依存症が無くても、今は毎日お酒を飲んでいるという方もいるはずです。

 「今は○○じゃないから大丈夫。」という安心材料は、未来のあなた自身が陥っている状態なのかもしれません。

 食行動異常の症状として、チューイングや嘔吐行為が無く、過食のみの場合、嘔吐・チューイングによる身体への負担はありません。
 しかし、過食による腹満感、腹痛、便通異常、過食後の異常な眠気など、過食そのものによる身体の負担はより大きくなります。
 過食が直接体重に反映されるため、肥満症、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病にもなりやすいでしょう。

 過食をすることで体重に直接影響するため、過食後の自責・抑うつ・罪悪感は、摂食障害の各病型のなかでも、過食のみの方が最も強いことでしょう。