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カテゴリ : 【05】摂食障害と心肺停止

【5】-1 摂食障害と心肺停止

摂食障害を患っている方々の中には、心肺停止を経験しているケースもあります。

心肺停止から大きな後遺症もなく生還することは、奇跡的で、非常に喜ばしいことです。

しかし、心肺停止を経て奇跡的に生還しても、多くの方々は再び過食嘔吐やチューイングなど摂食障害の症状に苦しめられます。

心肺停止とはどういうことでしょうか。

心肺停止は、心臓が機能しなくなるか、肺が機能しなくなるかによって引き起こされます。

心肺停止は限りなく死に近い状態です。

心臓が止まると、呼吸が止まります。

呼吸を担う臓器である肺を栄養する血液が、心臓から送られてこないためです。

呼吸が止まると、心臓が止まります。

呼吸が止まることで、心臓に最も必要な酸素が欠乏するためです。

呼吸(肺)と心臓は一蓮托生の臓器です。

心肺停止にまで陥った方が、以前とまったく同じように回復することは、なかなかありません。

摂食障害が、なぜ心肺停止を引き起こすのでしょう。

【5】-2 摂食障害と心肺停止

死を引き起こす疾患は、心肺停止を引き起こします。

摂食障害はさまざまな原因で患者さんを死に陥れます。

摂食障害の死因として、自殺や事故が多いことが知られています。

身体合併症による死因は、衰弱死、ミネラル(電解質)バランスの異常による致死性不整脈や心不全、低血糖、高度の脱水によるショックなどが挙げられます。

過食嘔吐症状やチューブ吐きがある場合、吐物をつまらせることによる窒息死もありえます。

やせを伴っている場合、身体合併症による死亡率が上がるでしょう。

著しいやせの状態では低血糖、低カリウム血症などのミネラルバランスの異常、脱水が起こりやすくなるためです。

事実、やせを伴う摂食障害の方々の死亡率は、やせを伴わない摂食障害と比較しても高いことが知られています。

嘔吐などの排出行動を伴う場合、身体的ダメージが深刻となるため、死亡率はさらに上がります。

上記の死因は全て心肺停止の原因となります。

【5】-3 摂食障害と心肺停止

摂食障害を患い、嘔吐時の窒息で心肺停止に陥り、一命をとりとめたものの、今も意識が戻らずに人工呼吸器をつけて生きている方もいます。

心肺停止時に近親者の処置が早かったため大きな後遺症なく生還したものの、退院後も摂食障害の症状に苦しみ続ける方もいます。

心肺停止を経て亡くなる方もいます。

うつ病は、自殺による死亡が起こるために、一次予防(病気にならないようにすること)・早期発見・早期治療が重要な精神疾患です。

摂食障害にうつ病が併存しやすいことも知られています。

摂食障害は自殺による死亡が起こりうる上に、その身体合併症による死亡のリスクまである非常に重篤な疾患です。

摂食障害は、精神疾患の中でも特に死亡率の高い、危険な病気なのです。

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