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カテゴリ : 【14】チューイング、噛み吐きの何が悪いのか

【14】-1 チューイングで最もむしばまれるもの ① はじめに

チューイング、噛み吐きは、摂食障害・過食症の代表的な症状のひとつです。

摂食障害の症状である過食嘔吐・過食が身体に及ぼす悪影響や、低体重、「やせ」が身体へ及ぼす悪影響について、あふれるほどの情報があります。

ところが、チューイングによる身体への悪影響については、特に医学専門書で取り沙汰されることが少ないようです。

過食嘔吐や過食、著しいやせなどの派手な症状の影に、チューイングが隠れてしまっているようです。

摂食障害の当事者の中には、嘔吐はアウト、チューイングはセーフ、という判断をしている人もいるほどです。

【14】-1 チューイングで最もむしばまれるもの ② むし歯、歯周病(歯槽膿漏)

チューイングのなにが一番問題なのでしょう。

チューイングの害はいくつかありますが、最もチューイングによるダメージが大きいのは、口の中です。

チューイングは、歯をぼろぼろにしたり、口臭の原因になったります。

医学的に言うと、チューイングによって、むし歯、歯周病(歯槽膿漏)になりやすくなり、口内が不潔になることで口臭がでやすくなるでしょう。

摂食障害・過食症で「歯がぼろぼろになる」「歯を失う」ということは、教科書、医学専門書でよく目にします。

しかし、どういう症状が、どういった歯科的問題につながるのか、詳しく論じているものは少ないようです。

過食のみでも、過食嘔吐だけでも、チューイングだけでも、むし歯、歯周病、口臭の原因となるでしょう。

チューイングに過食嘔吐も伴う場合、胃酸による悪影響も加わるので、口内環境のダメージは非常に深刻です。

チューイング、過食嘔吐は、口の中の環境を悪化させ、歯と歯肉を徹底的に悪くしてしまう、摂食障害の症状の最たるものです。

チューイング、過食嘔吐が長引けば長引くほど、口の中の環境は荒れ、むし歯、歯周病は異常なスピードで悪化していきます。

人が笑顔になった時、話している時、他人からよく見られているのが、その人の口元、歯です。

口元、歯は、とても印象に残るものです。

酸蝕歯やむし歯によって前歯が変色したり、口から嫌な臭いがもれていると、見た目や印象が悪化しかねません。

過食や過食嘔吐、チューイングがある状態で、むし歯、歯周病の歯科治療を行っても、効果は表面的なものにとどまります。

ムリせず、過食、過食嘔吐、チューイングを止め続けること。

これは、摂食障害・過食症の方のむし歯や歯周病を予防したり、悪化を防ぐために、最も役立つことです。

ストレスは過食嘔吐でスッキリ、でも最近歯のトラブルが多くて。

【14】-1 チューイングで最もむしばまれるもの ③ むし歯、歯周病(歯槽膿漏)の影響は大きい

摂食障害・過食症の方は、人前で食事できないことがあります。

他人から、自分の食べているもの、食べている姿を見られることが苦しかったり、隠れて症状を出すためです。

チューイングがある場合、なおさらその傾向が強まります。

チューイングの影響で、歯がぼろぼろになったり、口臭が出てくると、人前でうまく笑えなくなったり、口臭が気になって話せなくなったりします。

人前に出ることが怖かったり、億劫になり、引きこもり同然となるかもしれません。

誰かと一緒に食事を楽しむことで、よりよいコミュニケーションがとれたり、親睦を深めたりできます。

ときには仕事仲間と食事をすることで、より円滑に社会生活を送れる場合もあるでしょう。

また、円満で幸せな家庭生活には、家族で楽しく食べる団らんのひとときが欠かせません。

人前で食事できない、うまく話せない、笑えない状態は、摂食障害の方の社会生活、家庭生活を破滅させかねません。

【14】-2 チューイングとむし歯、口臭 ① チューイングとむし歯、口臭

過食嘔吐が無く、チューイングのみの場合、胃の内容を嘔吐するわけではないので、食道や口の中に胃酸のダメージを受けることはありません。

しかし、チューイングだけだとしても、むし歯、歯周病、口臭の原因になります。

チューイングのために口臭が出たり、むし歯になりやすい理由は、主に以下の3つが挙げられます。

1)口の中の唾液が不足しがちになる。

2)チューイング、噛み吐きする食べ物の好みとして、甘いものが多い。

3)唾液が不足しがちな口内環境で、口の中に食べ物が存在する時間がとても長い。

【14】-2 チューイングとむし歯、口臭 ② チューイングで唾液が不足するしくみ、それによりむし歯になったり口臭が出るしくみ

チューイングでは、普通の人が食べ物を食べるときの何倍も噛んでいて、その分、唾液もよけいに必要になります。

チューイングは噛み吐きですから、唾液ごと吐きだしたりして、唾液を無駄遣いしてしまいます。

よけいに使っているものがそのうち足りなくなるのは、普通のことです。

チューイングをすればするほど、口内の唾液は不足しがちになるでしょう。

また、チューイングでは、たくさん噛むことで、口の中を誤って傷つけたり、出血したりして口内が荒れやすくなります。

口内の荒れや、傷によって、唾液が分泌される出口や通り道が狭くなったりして、唾液の分泌がスムーズにいかず、口内の唾液が減ることもあるでしょう。

唾液がつまったりして、唾液を産生する唾液腺に炎症がおきたりすれば、さらにに唾液の分泌は減ります。

この唾液のつまりや炎症によって、唾液腺である耳下腺が腫れると、顔がまるくなったり、ふとったり、むくんだように見えてしまいます。

そういうわけで、チューイングをする人の口の中は、食べているときでも、食べていないときでも、常に唾液が少ない状態に陥りがちです。

唾液の不足は、むし歯、口臭の原因となります。

唾液は、口内の菌を胃に押し流してくれたり、食べ物の残りカスを洗い流してくれ、口内をきれいに保ってくれる働きがあります。

唾液が減ることで、口内の自浄作用がうまくいかず、口臭が出やすくなったり、むし歯菌の働きが活発になり、むし歯にもなりやすくなるでしょう。