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カテゴリ : 【06】摂食障害と死因

【6】摂食障害と死因

(1)摂食障害の秘匿性

摂食障害の症状によって、患者さん本人は強い罪悪感、後ろめたさ、恥ずかしさなどの感情を持っています。
病気になったのは患者さんのせいではありません。
しかし、摂食障害の患者さんは特に 『自分が悪いから病気になった』 と思い込む傾向が強いようです。

摂食障害の患者さんのほとんどが、自らの病気について、病気の症状について、他の誰にも知られたくありません。
私自身も、過食嘔吐していたことを、自分だけの秘密として墓場まで持って行くつもりでした。
他の誰にも知られたくないということは、医療従事者にももちろん知られたくありません。

摂食障害の症状である過食嘔吐やチューブ吐きによって、ときに命にかかわるような危険な状態に陥ることもあります。
そういった危険な状態に陥れば、医療機関を受診することになるでしょう。
身体的に深刻な状態が過食嘔吐など摂食障害の症状と関わりが深くても、患者さんから医療従事者に摂食障害について伝えることは非常に困難です。
客観的に摂食障害が疑われる所見というものもありますが、患者さん自身の情報提供は非常に重要で必要なものです。
過食嘔吐、チューブ吐きの果てに、喉頭がん、食道がんを発症することもあるでしょう。
摂食障害の症状について医療従事者に伝えられない患者さんも多いことでしょう。

(2)死因として反映されないケース

喉頭がんや食道がんが原因でその患者さんが死亡したとします。
喉頭がんや食道がんの発症と深い関わりがある摂食障害について、医師が知らない場合があるということです。

医療従事者が摂食障害について知らなければ、摂食障害が患者さんの死因と深い関わりがあるにも関わらず、その事実は分からずじまいになります。

過食嘔吐やチューブ吐きの真っ最中に、食道破裂が起きたとします。
食道破裂は、手術も必要になるような緊急度、重症度ともに高い病気です。
患者さんが、摂食障害について医療従事者に伝えることができない場合、その食道破裂は原因不明の特発性の食道破裂と判断されます。
摂食障害が、死因や死に至る重篤な病の発症に深くかかわっていながら、統計上反映されないこともあるわけです。

統計上反映されずとも、摂食障害が死と深くかかわっているケースはたくさんあると思います。
さまざまな既存の調査や研究で、摂食障害の死亡率や死因が分かっていますが、氷山の一角なのかもしれません。