摂食障害(過食症・過食嘔吐)のホームページ



【20】-9 摂食障害による高血糖が排卵障害につながるしくみ

(1)インスリン抵抗性の上昇と高インスリン血症

過食・過食嘔吐・節食と過食のくり返しなど、摂食障害・過食症・拒食症でよく見られる症状は、からだのインスリン抵抗性を上げたり、高インスリン血症を引き起こすことが予測されます。
摂食障害によく見られる極端な食生活は、ありとあらゆる方面から、徐々に、しかし確実に身体を蝕んでいくものです。
やせたくて絶食や節食をくり返す、反動で過食や過食嘔吐してしまう、これは摂食障害・過食症・拒食症に典型的な症状のパターンです。
絶食や極端な節食によって血糖節約モードになったからだに爆発的に糖分を送り込むのが過食で、これにより高血糖が引き起こされると、インスリン抵抗性が上がることになるでしょうし、それが次の高血糖の呼び水となります。
過食や過食嘔吐、絶食と過食のくり返しを続ければ続けるほど、身体のインスリン抵抗性は上がっていき、それに比例してインスリンもたくさん必要になるため高インスリン血症となるでしょう。そしてそれが破綻した時が、糖尿病を発症する時です。
(詳しくは【10】-5(2)~(4)参照。)

(2)排卵障害は「今」起きる

過食や過食嘔吐、絶食と過食のくり返しによって、インスリン抵抗性が上がり、高インスリン血症となる、これは将来の糖尿病予備群であり、それによる排卵障害は、将来ではなく、今このときに引き起こされます。
くり返す摂食障害・過食症・拒食症の症状がインスリン抵抗性を上げ、高インスリン血症を引き起こし、それが卵巣で莢膜細胞を刺激して、男性ホルモンが過剰に分泌され、ふつうの女性の性周期では起こらない卵巣の形態変化を起こし、無月経や稀発月経、無排卵性周期症などの排卵障害につながっていきます。

肥満がなくても要注意

肥満、特に内臓型肥満があるとき、インスリン抵抗性の上昇や高インスリン血症を認めやすいでしょう。肥満、内臓型肥満のせいで、脂肪細胞からインスリンの働きを悪くするアディポサイトカインという物質が分泌されやすくなるためです。
肥満が無くとも、摂食障害・過食症・拒食症であれば、糖代謝や脂質代謝が乱れていて当然です。
過食、過食嘔吐、チューイング、過食と絶食のくり返しなどの摂食障害の症状がある人は、体格が正常であったり、やせていても、インスリン抵抗性が上昇していたり、高インスリン血症となっている危険性が高いでしょう。
そして、そうなっていれば、それに伴い男性ホルモンが過剰に分泌されるため、排卵障害を合併している可能性も高いでしょう。