摂食障害(過食症・過食嘔吐)のホームページ



【20】-6女性ホルモン・プロゲステロンとは

(1)妊娠の準備と維持のためのホルモン

プロゲステロンは妊娠に備えたホルモンで、特に初期の妊娠を維持させるために必要なホルモンです。
プロゲステロンは、排卵後の成熟卵胞が黄体に変化し、そこから活発に分泌されるようになります。受精卵が発生した時に、滞りなく着床できるように、子宮内膜を快適なベッドとなるよう整えます。子宮が収縮してせっかくの受精卵を流してしまわないように、子宮筋を落ち着かせるような作用もあります。
また、プロゲステロンは全身にも作用し、分泌が盛んになる黄体期には、基礎体温が上がったり、胸が張るなどの変化が生じます。また、エストロゲンに食欲を抑える作用があるのとは逆に、食欲亢進作用があります。摂食障害・過食症・拒食症では、月経前になると過食や過食嘔吐が特にひどくなったり、月経前に過食・過食嘔吐・チューイングなどの症状が出やすい、ということがあります。

(2)子宮内膜増殖症や子宮体癌の予防にも有効

エストロゲンは、女性としての魅力を磨き上げ、よけいなものを排出してからだを整えるイメージですが、プロゲステロンは来たるべき妊娠に備え、「溜め込む」イメージです。
プロゲステロンはエストロゲンと逆の作用をする場合が多く、黄体期にむくみやすかったり、イライラしたり、心身の不調をきたす方にとっては、あまりありがたくないホルモンのように思えるかも知れません。
しかし、プロゲステロンには、エストロゲンがからだに悪さをするのを防ぐ作用があります。無排卵性周期症などの排卵障害では、プロゲステロンの分泌がなく、常にダラダラとエストロゲンが分泌されている状態になっていることが多く、この状態が長く続くと、子宮内膜増殖症という病気や、子宮体癌の発症が懸念されます。
無排卵性周期症や、プロゲステロンの分泌が十分でなく相対的にエストロゲンが強く働いている状態の方に対して、子宮内膜増殖症や子宮体癌を予防するために治療的にプロゲステロンが用いられています。
また、低容量ピルにプロゲステロンが含まれるのは、エストロゲン単剤の場合に子宮内膜増殖症や子宮体癌など病気の発症のおそれがあるため、それを予防するためでもあります。

(3)エストロゲンとの交互作用で妊娠につながる

正常な性周期のもと、卵胞期にエストロゲンが異性をとりこにするよう活発に働き、排卵を契機にプロゲステロンがエストロゲンよりも効果を発揮して初期妊娠に備える、妊娠しなければ月経を迎えてまた次の卵胞期へ。
このように、自然の営みのもとでは、エストロゲンとプロゲステロンが交互に強力に分泌されるからこそ、それぞれがからだに悪さすること無く、それぞれの特性をいかんなく発揮できるようにできています。