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【14】-3 チューイングと歯周病(歯槽膿漏)

(1)歯周病について

チューイングは歯周病(歯槽膿漏)の原因となったり、歯周病を進行、悪化させたりするでしょう。
歯周病は加齢変化の一種とも言われます。
個別に同定されていないものの、口内の細菌が歯周病の原因菌です。
加齢に伴い免疫力が低下し、歯周病の原因菌への抵抗力が落ちると、歯周病を発症します。
歯周病は口臭の原因にもなります。
歯周病を発症してしばらくは、自覚症状にうすく、そのうち噛む力が弱った、歯がぐらぐらするなどの症状が出てきます。
しかしそのときには、歯を失うことを食い止めることはできないでしょう。
歯周病の発症時期や、進行のスピードには個人差がありますが、それは、人によって免疫のはたらきに違いがあるためでもあります。

(2)チューイングが歯周病を引き起こすしくみ

チューイングでは、食べ物、固形物が食道、胃、小腸、大腸を通りません。
消化管では、食べ物などの塊がその内部を通ることで、古い上皮細胞がはがれおちたり、ホルモンが分泌されたり、蠕動という消化管独特の動きが起こります。
消化管というものは、その中を食ベ物のカタマリ(食塊)が通るからこそ、よりよく機能するように出来ています。
チューイングに伴って、食塊が消化管を通過しないと、徐々に腸の働きが低下し、消化吸収機能が落ちていきます。

腸管免疫の働きの低下

消化管、腸は、食べ物の消化吸収以外にも、腸管免疫という免疫システムをもちます。
消化管、腸は、免疫の面でも、人体にとって非常に重要な働きを担っています。
胃から続く小腸は、十二指腸、空腸、回腸から構成され、大腸につながっています。
小腸には、特にリンパ組織(免疫を担当する細胞の集合体)が発達した部分があり(回腸)、腸管免疫が正常に、活発に働く上で、非常に重要な臓器です。
小腸の消化管としての働きが低下することで、小腸の担う腸管免疫の働きも低下してしまいます。
腸管免疫の働きの低下によって免疫力が低下すると、歯周病が引き起こされたり、悪化したりします。
チューイングによって食べ物の塊が小腸を通過しなくなると、消化管としての機能が衰え、連鎖的に腸管免疫の働きも落ちて、歯周病が引き起こされるというわけです。

(3)やせや低栄養と歯周病のつながり

チューイングは症状の性質上、やせ、低栄養を伴うことが多いようです。
低体重、やせ、低栄養によって、免疫機能が低下します。
低体重、やせ、低栄養の場合、ふつうのカゼなどを含むウィルス感染症にかかりにくくなりますが、結核(結核菌)や病原性のカビに感染しやすくなります。
やせ、低栄養によって、特に細菌やカビ菌に対する身体の免疫力が落ちてしまうからです。
歯周病菌も細菌であるため、やせ、低栄養によって歯周病の発症が早まったり、進行が早くなることが予測されます。
ムリなダイエットで急激にやせて免疫力が落ちると、歯周病が発症・進行し、口臭が出てきたりするでしょう。
身に覚えがある方もいるかもしれません。
チューイングがあって、やせていると、歯周病になりやすく、進行も早いでしょう。

(4)低血糖と歯周病のつながり

消化管、腸の働きは、自律神経に大きく支えられています。
自律神経には交感神経、副交感神経があります。
交感神経と副交感神経はお互いがシーソーのように働きます。
どちらか一方の働きが活発になると、どちらか一方の働きは抑えられてしまいます。
自律神経のうち、副交感神経が活発になると、腸の働きが活発になります。
交感神経が活発になると、副交感神経が抑えられることで、腸の働きが低下してしまいます。
過食、過食嘔吐、チューイング全てに言えることですが、チューイングは、食べ物が胃に入らないので、特に低血糖となりやすいでしょう。
やせを伴う場合、その傾向はより強まります。

低血糖が免疫力を低下させる

低血糖により、自律神経のうち交感神経が活発になります。
交感神経を活発にして、すこしでも血糖を上げるためです。
その結果、副交感神経が抑えられ、腸の働きが落ちて、それが腸管免疫の低下をまねきます。
低血糖によって腸管免疫が低下し、歯周病の発症、進行が促されることがあるでしょう。
また、低血糖では、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)という血糖を上げるためのホルモンの分泌も活発になります。
この副腎皮質ホルモンは身体の免疫の力を抑える働きがあり、この影響によっても歯周病の発症、進行が促されることもあるでしょう。
チューイングに「やせ」を伴っている場合、やせによる免疫力の低下、低血糖による免疫の働きの低下も加わるので、歯周病の発症、悪化には特に注意が必要です。
チューイングそれ自体でも、唾液不足から口内の菌のバランスが崩れ、歯周病菌が活発になると、歯周病の発症が早まる、ということも考えられます。

(5)まとめ

チューイングによって腸の働きが落ちると、腸管免疫が低下して免疫力が落ち、歯周病になりやすく、また進行も早まるでしょう。
チューイングに「やせ」を伴っている場合、やせによる免疫力の低下、低血糖による免疫の働きの低下も加わるので、歯周病の発症、悪化には特に注意が必要です。
チューイングそれ自体でも、唾液不足から口内の菌のバランスが崩れ、歯周病菌が活発になると、歯周病の発症が早まる、ということも考えられます。