摂食障害(過食症・過食嘔吐)のホームページ



【14】-2 チューイングとむし歯、口臭

(1)チューイングがむし歯、口臭につながる理由

過食嘔吐が無く、チューイングのみの場合、胃の内容を嘔吐するわけではないので、食道や口の中に胃酸のダメージを受けることはありません。
しかし、チューイングだけだとしても、むし歯、歯周病、口臭の原因になります。
チューイングのために口臭が出たり、むし歯になりやすい理由は、主に以下の3つが挙げられます。
①口の中の唾液が不足しがちになる。
②チューイング、噛み吐きする食べ物の好みとして、甘いものが多い。
③唾液が不足しがちな口内環境で、口の中に食べ物が存在する時間がとても長い。

(2)チューイングで唾液が不足するしくみ

チューイングでは、普通の人が食べ物を食べるときの何倍も噛んでいて、その分、唾液もよけいに必要になります。
チューイングは噛み吐きですから、唾液ごと吐きだしたりして、唾液を無駄遣いしてしまいます。
よけいに使っているものがそのうち足りなくなるのは、普通のことです。
チューイングをすればするほど、口内の唾液は不足しがちになるでしょう。
また、チューイングでは、たくさん噛むことで、口の中を誤って傷つけたり、出血したりして口内が荒れやすくなります。
口内の荒れや、傷によって、唾液が分泌される出口や通り道が狭くなったりして、唾液の分泌がスムーズにいかず、口内の唾液が減ることもあるでしょう。
唾液がつまったりして、唾液を産生する唾液腺に炎症がおきたりすれば、さらにに唾液の分泌は減ります。
この唾液のつまりや炎症によって、唾液腺である耳下腺が腫れると、顔がまるくなったり、ふとったり、むくんだように見えてしまいます。
そういうわけで、チューイングをする人の口の中は、食べているときでも、食べていないときでも、常に唾液が少ない状態に陥りがちです。

(3)唾液の不足がむし歯や口臭につながるしくみ

唾液の不足は、むし歯、口臭の原因となります。
唾液は、口内の菌を胃に押し流してくれたり、食べ物の残りカスを洗い流してくれ、口内をきれいに保ってくれる働きがあります。
唾液が減ることで、口内の自浄作用がうまくいかず、口臭が出やすくなったり、むし歯菌の働きが活発になり、むし歯にもなりやすくなるでしょう。

(4)唾液不足と甘い食べ物がむし歯の温床となる

むし歯のしくみは、口の中の菌が食べ物に含まれる糖分を分解するときに酸が生じて、その酸で歯が溶かされることにあります。
通常であれば、口の中の食べ物は、噛み砕かれた後、唾液とともに、食道、胃に送り込まれます。
しかし、チューイングでは通常よりも長い間、口内に食べ物がある状態になります。

また、唾液は口内の菌を洗い流す作用もあります。
口の中に食べ物があっても、唾液がたくさん出ていれば、菌ごと胃に押し流してくれます。
しかしチューイングでは、すでに説明したように、食べているときでも、食べていないときでも、全体的に口の中に唾液が少ない状態になりがちです。
さらに、摂食障害・過食症の症状では、菓子パンやお菓子など甘いものが好まれます。
甘いものがいつまでも口内にあって、かつ唾液が少ない状態は、むし歯菌が最もパワフルに活動でき、むし歯の発生・進行のために最適な温床となるのです。
いつも唾液不足な口内で、いつまでも甘いものを噛んでいるその状態が、刻一刻とむし歯を増やし、進行させているというわけです。