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【9】-2 妊娠中期 ~後期にかけて 常位胎盤早期剝離 ② 概要 その2

リスク因子によって、常位胎盤早期剝離になりやすい妊婦さんが分かっている場合もあります。

常位胎盤早期剝離の既往、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育不全、外傷などです。

しかし、常位胎盤早期剝離の過半数は、なんのリスクもなく順調に経過している妊娠女性に起こります。

常位胎盤早期剝離は、発症予知が難しくその予防法もありません。

一旦起こってしまえば、検査・診断・治療をいかに迅速に進めるかで、母児の予後が大きく変わります。

そのためには、常位胎盤早期剝離のリスク因子の有無を、医療従事者が認識していることが非常に重要なカギとなります。

【9】-2 妊娠中期 ~後期 妊娠高血圧症候群 ⑪ 摂食障害とのカンケイ その3

日本の妊娠可能な年代の女性の「やせ」の増加・恒常化は、深刻な問題です。

私は、そこにはかなりの数の摂食障害が潜んでいると思います。

摂食障害を患っている方の体型は、やせ・標準・肥満などさまざまです。

摂食障害の方は、自分の体型がどうであろうと「やせ」を切望しています。

自分の体型がBMI 18.5 未満で、やせていてすら、さらにやせたい方がほとんどです。

やせ衝動は、摂食障害に認める衝動のひとつです。

やせ衝動の他に、過食衝動、排出衝動があります。

医療従事者は、摂食障害による「やせ」が妊娠分娩経過にどれほど悪影響をもたらすのか、もっとよく知るべきです。

【9】-2 妊娠中期 ~後期 妊娠高血圧症候群 ④ 概要 その4

妊娠という生理現象が、異常現象になりかわってしまっているのが妊娠高血圧症候群です。

妊娠を終了すれば、高血圧や蛋白尿などの症状は速やかに消失します。

そのため、妊娠高血圧症候群の治療として臨月前でも子どもを産んでしまう(人工早産)ことがあります。

治療として人工早産を行った場合、子どもは未熟児(早期産児)となります。

未熟児には、未熟児ゆえの病気も多く集中的な新生児医療を必要とすることが多いでしょう。

胎児発育不全も伴った場合、病態が悪化しやすく、新生児医療が難航することが予測されます。

未熟に生まれれば生まれるほど、また胎児発育不全の程度が強ければ強いほど、死の危険も高くなります。

【9】-2 ⑤ 妊娠中期 ~後期 早産・切迫早産 摂食障害とのカンケイ その4

摂食障害が早産・切迫早産を合併しやすいことについてのまとめです。

原因として、摂食障害の妊婦さんに大きなストレスがかかりやすいことが挙げられます。

また、摂食障害による妊娠前のやせ体型や、妊娠中の体重増加過少は早産につながります。

摂食障害の症状である過食嘔吐行為それ自体が、早産を促す場合もあるでしょう。

早産となった場合、子どもは未熟児(早期産児)として生まれます。

未熟児として生まれると、長期間の新生児医療が必要となることがあります。

赤ちゃんが未熟であればあるほど、また小さければ小さいほど、命の危険は高く後々重篤な後遺症が出現する可能性も高くなります。

【6】摂食障害と死因

摂食障害の症状によって、患者さん本人は強い罪悪感、後ろめたさ、恥ずかしさなどの感情を持っています。

病気になったのは患者さんのせいではありません。

しかし、摂食障害の患者さんは特に 『自分が悪いから病気になった』 と思い込む傾向が強いようです。

摂食障害の患者さんのほとんどが、自らの病気について、病気の症状について、他の誰にも知られたくありません。

私自身も、過食嘔吐していたことを、自分だけの秘密として墓場まで持って行くつもりでした。

他の誰にも知られたくないということは、医療従事者にももちろん知られたくありません。

摂食障害の症状である過食嘔吐やチューブ吐きによって、ときに命にかかわるような危険な状態に陥ることもあります。

そういった危険な状態に陥れば、医療機関を受診することになるでしょう。

身体的に深刻な状態が過食嘔吐など摂食障害の症状と関わりが深くても、患者さんから医療従事者に摂食障害について伝えることは非常に困難です。

客観的に摂食障害が疑われる所見というものもありますが、患者さん自身の情報提供は非常に重要で必要なものです。

過食嘔吐、チューブ吐きの果てに、喉頭がん、食道がんを発症することもあるでしょう。

摂食障害の症状について医療従事者に伝えられない患者さんも多いことでしょう。

喉頭がんや食道がんが原因でその患者さんが死亡したとします。

喉頭がんや食道がんの発症と深い関わりがある摂食障害について、医師が知らない場合があるということです。

医療従事者が摂食障害について知らなければ、摂食障害が患者さんの死因と深い関わりがあるにも関わらず、その事実は分からずじまいになります。

過食嘔吐やチューブ吐きの真っ最中に、食道破裂が起きたとします。

食道破裂は、手術も必要になるような緊急度、重症度ともに高い病気です。

患者さんが、摂食障害について医療従事者に伝えることができない場合、その食道破裂は原因不明の特発性の食道破裂と判断されます。

摂食障害が、死因や死に至る重篤な病の発症に深くかかわっていながら、統計上反映されないこともあるわけです。

統計上反映されずとも、摂食障害が死と深くかかわっているケースはたくさんあると思います。

さまざまな既存の調査や研究で、摂食障害の死亡率や死因が分かっていますが、氷山の一角なのかもしれません。