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【13】-7 医師を含む医療従事者、専門家は摂食障害、過食症をどう認識しているか ② 摂食障害医療の未来

アレキシサイミアにより患者さん自身が苦しみを感じることができない状態が、医療従事者の危機感を麻痺させてしまうのかもしれません。

医療従事者は、決して、患者さんに引きずられて、摂食障害、過食症を見逃し、放置し、病状をより悪化させることの無いようにしたいものです。

そもそも、摂食障害、過食症は、難治であり、症状が10年20年と長く続き、癌などの重い身体合併症の可能性も孕む、非常に深刻な病気です。

それを知っても、この病気の大変さがよく分からない、実感できないのは、摂食障害の患者さんであれば当然ありうることで、それが病気の特徴なのです。

重要なのは、医療従事者は、そこに巻き込まれてはならない、ということです。

摂食障害、過食症を治療する医療の側が、食行動の異常の線引きを見誤り、摂食障害、過食症の病気としての深刻さを理解できていない状態では、摂食障害医療に未来はありません。

【1】-5 摂食障害と癌

過食嘔吐を繰り返しながらも、食道がんが心配で眠れぬ夜を過ごし、その不安を打ち消すように過食嘔吐することがありました。

摂食障害には、消化器系の癌のリスクがあります。
舌がんなどの咽頭がん、食道がんは化学的・機械的刺激や慢性的な炎症が癌の発生に関わっていると考えられます。
摂食障害で過食や過食嘔吐、チューイングする人は、摂食障害の無い人に比べると、何十倍~何百倍も、噛んでいますし、吐きだしていますし、嚥下していますし、嘔吐しています。
口腔~咽喉頭~食道~胃にかけての機械的刺激が非常に多いということです。
また、嘔吐による胃酸で口腔や咽喉頭、食道に炎症が起きるなど、慢性的な炎症も起こりやすい状況にあります。
これら消化器系の酷使は、消化器系の癌のリスクになります。

また、嘔吐時には喉頭上部にも機械的刺激が加わります。
喉頭上部に胃酸による化学的炎症が及ぶ可能性があります。
過食嘔吐によって、呼吸器系の癌に分類される上部喉頭がんのリスクも高くなると思われます。

摂食障害の症状としての嘔吐行為を認める方の場合を考えます。
嘔吐による食道の酷使という面からも食道がんのリスクが高いと考えられます。
それに加え、逆流性食道炎に伴うバレット食道という変化が食道腺癌の下地となります。
つまり、嘔吐するタイプの摂食障害の方に食道がんを発症するリスクはより高いということです。

摂食障害を患っている人の中にはタバコ、アルコール愛用者が多いようです。
タバコ、アルコールの過剰摂取も咽頭がん、喉頭がん、食道がんのリスクとなります。

アルコール常用によりすでに慢性膵炎を合併している人の場合、膵臓がんのリスクもあります。

吐きダコを根本から無くすには

【1】-3 過食や過食嘔吐と腹痛 その2

過食することで、実際に身体的な変化がおきていて、腹痛や吐き気などのお腹の症状がでます。
これについて医学的に考察します。

通常、食べ物はある程度胃にとどまり、ざっくりと消毒・消化されます。
その後すこしずつ小腸に流れ込んでいき、消化吸収されます。
この、「すこしずつ」というのが重要です。

胃癌などで胃を切除した場合、ダンピング症候群という病態を合併することがあります。
手術によって、「すこしずつ」胃から小腸へ食物が輸送される過程が障害されるために起こります。
過食に伴ってダンピング症候群と似たような病態が引き起こされると考えられます。
過食によって急激に多量の食べ物が胃につめこまれたとします。
いつもよりも多い量の食べ物が、いつもよりも早く小腸に追い出されてきます。
十分にこなれていない食べ物は小腸には刺激が強く、それを薄めるために沢山の水分が必要となります。

また、その強い刺激によって消化・吸収にまつわるホルモン分泌の異常もきたします。
小腸内に沢山の水分をまわすために身体をめぐる血液量が減ると、脳に行く血流が減少してめまい感、眠気などの症状がでます。
消化・吸収にまつわるホルモンの過剰分泌などで腹痛や腹部の不快感、低血糖やミネラルバランスの異常をきたすこともあります。
過食のみの場合でも、過食嘔吐の場合でも、胃に大量の食べ物が入っている場合、上記のような病態が起こると予測されます。
過食後に眠気や悪寒(おかん)を訴える方がときどきいます。

背景にダンピング症候群があるのではないか、と思います。

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