摂食障害のホームページ

*

過食・過食嘔吐などによる体や心への影響

ここでの合併症とは、過食の症状(食べ過ぎ、嘔吐等)が起こす心身への影響を指します。
摂食障害は、この世に二つとないかけがえの無いあなたの体を蝕み、心理的にも多大な悪影響を及ぼす可能性のある、本当に恐ろしいこころの病気なのです。

月経不順、無月経、不妊

「そういえば、最後に生理が来たのはいつだっけ・・・?」
過食や過食嘔吐が続くと脳の伝達物質が正常に放出されなくなる事が多いため、女性ホルモンのバランスが崩れてしまうことがあります。
その結果、無排卵、無月経をひきおこしやすくなります。
無排卵が長期間続くと子宮や卵巣が委縮してしまい、赤ちゃんができなくなってしまうので、婦人科を受診し生理を起こさせるようにしましょう。※
生理が止まるということは、その時点で老化現象が始まっているのと同じです。
「生理が無くて楽だ」と思って楽観視していると、将来、不妊や骨粗鬆症のリスクが高まります。
※やせの程度によっては月経による出血が身体に負担になることもあるので、無月経の治療には個人差があります。

歯の溶解

嘔吐をすると、酸性度の高い胃酸も一緒に吐くことになります。
胃酸が口の中に充満すると、歯のエナメル質を溶かしたり、歯を傷つけ虫歯が増えたりします。
エナメル質の下の象牙質は非常に軟らかいのでそのまま放置しておくと、胃酸によって歯が溶けきってしまうこともあります。
過食の影響で歯がぼろぼろになると、神経がむき出しになって激痛を感じるようになったりもします。
最終的に、若くして差し歯や総入れ歯になってしまう可能性もあります。

吐きだこ

手を使って吐く場合、歯が手の甲などにあたり、炎症を起こした皮膚が硬くなって、たこができてしまいます。
吐きだこを見られることで過食嘔吐していることが周囲にばれないかと気を遣い、ストレスがたまり、更に症状を悪化させる場合もあります。
そこまでしても、過食嘔吐という症状は自分の意志では止められないのです。

吐きダコを根本から無くすには

誤飲

上記の「吐きだこ」が出来ないようにと、嘔吐時に手を使わずに道具を使う人もいます。
危険なのは、その道具を誤って飲み込んでしまうこと。
救急車で運ばれる人も珍しくなく、その場で窒息死も考えられる危険な行為です。

唾液腺の腫れ

過食や嘔吐によって唾液がたくさん分泌されることによって、耳や顎の後ろの耳下腺や顎下腺がパンパンに腫れることがあります。
痛みを生じることもあり、症状が止まらなければ改善させることは難しいでしょう。
前から見ると顎のラインが無くなり、頭から首までくびれが無くズドーンと一直線になってしまうことも・・・。

低カリウム血症

嘔吐をすると、体内の必要な水分まで吐いてしまいます。
嘔吐時、体外に排出してしまう水分には、人間の体内で生成できないカリウムが一緒に放出されてしまいます。
カリウムが少なくなると、ナトリウムとの電解質のバランスが崩れて、低カリウム血症になる危険性が高まります。
カリウムは体の筋肉を動かすために必要なので、疲れ、倦怠感を感じるようになります。
足がつりやすくなったりするのも、カリウム不足の可能性があります。
心臓の筋力にも影響を及ぼすので、不整脈や、重い場合は心臓まひを起こす可能性もあります。

食道炎、食道癌、逆流性食道炎

嘔吐を続けていると胃酸により、食道を傷つけてしまうケースがあります。
やがて、食道炎や食道癌を引き起こすリスクが高まります。
また、胃と食道の間の弁が緩んでしまい、胃液や十二指腸液が食道を逆流してしまう、逆流性食道炎になることがあります。
嘔吐を繰り返している場合、胸やけ、通常時でも食べたものが食道へ逆流する感じ、咳が止まらない、声が枯れる等の症状があれば、逆流性食道炎の可能性を疑ってみても良いでしょう。

下剤常用、乱用による影響

下剤を摂取し続けることによって腸に耐性ができ、段々と下剤の効きが悪く感じられるため、規定量以上に下剤を使用する人がいます。
その状態が続けばやがて、自分の力で便を出すことができなくなっていきます。
激しい下痢によって脱水症状が起これば、ナトリウム不足、カリウム不足が起き、ふらついたり、昏睡状態になったり、体がだるくなったり、動悸、不整脈、重い場合は心不全を起こします。

体がナトリウム不足に対応しようとしているので、下剤を中止するとむくみ、それが辛くてまた下剤を常用、という悪循環にもなります。 また、カリウム不足はさらに便秘をひどくする要因にもなります。

また、トイレがある場所でないと不安で出かけられず、生活に困難を生じる状態になってしまいます。

睡眠不足

いわゆる不眠症のことではありませんが、寝る間を惜しんで過食してしまう人は少なくありません。
その結果、十分な睡眠がとれずに集中力が無くなったり、倦怠感が続いて活力が無くなったりします。
そのような生活を続けることも難しく、やがてフルタイムの仕事を辞めざるをえない状況になってしまう人や、家事や育児が出来なくなってしまう人も少なくありません。

《その他の合併症》

●免疫力低下
人間の体の中で最も大きな免疫器官は腸管にあります。
過食や偏食、睡眠不足などを繰り返すと腸の働きに負担をかけ、免疫力低下につながります。
また、拒食や過食嘔吐による栄養不足も免疫力が下がります。
免疫力の低下は、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症などのアレルギー疾患、クローン病、膠原病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、バセドー病や癌など様々な病気が引き起こされることも証明されています。
●冷え
過食や偏った食生活、糖分の過剰摂取、嘔吐によって基礎代謝の低下も冷えの原因となります。
たかが冷え症とは言い切れません。
アレルギー疾患やむくみ、膀胱炎、肥満、不妊、腫瘍などの病気を引き起こす要因とも考えられています。
●むくみ
老廃物や体内の水分が皮下組織に溜まってしまうことが、むくみの原因だと言われています。
また、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの不足や塩分の取り過ぎによって身体の浸透圧のバランスが崩れ、体内に水分を貯めこもうとする力が働きます。
過食や過食嘔吐による栄養状態の悪化や、腎臓や肝臓がうまく動かなくなると、体がむくみやすくなります。
嘔吐や過食が治まるだけでも顔や手足のむくみが解消され、顔や体つきがスッキリする人も多々います。
●貧血
過食や偏食、過食嘔吐の症状が続くと体内の鉄分やビタミンB12、葉酸などが不足し、貧血が起こります。
貧血になると身体は低酸素状態になり、頭痛やめまい等を引き起こします。
また、肌がかさついたり、抜け毛や枝毛が増えたり、爪が割れやすくなるのも貧血が考えられます。
●肌荒れ、抜け毛
偏った食事、生活サイクルの乱れは、肌荒れや抜け毛を起こしやすくなります。
また、直接的な食べ物の影響だけでは無く、先に挙げた免疫力の低下、冷え、貧血などの影響が真っ先に現れるところが肌や毛髪だと言っても過言ではありません。
過食嘔吐の栄養不足やストレスにより、抜け毛が増え、薄毛になったり、艶やハリが失われたりしてしまいます。
●骨粗鬆症
生理が止まることで閉経後と同じように、骨密度の低下を引き起こす可能性が高まります。
また、極端なダイエット等で脂肪の量が減ると女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが減少し、骨を溶かす働きが強くなり骨量が急激に減少して骨がスカスカになります。
骨粗鬆症になると、ちょっとしたことで骨折しやすくなり、寝たきりなどの大きな原因となります。
また、猫背になったり、背中や腰の痛みの原因にもなります。