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【13】-7 医師を含む医療従事者、専門家は摂食障害、過食症をどう認識しているか ① 認識の程度はさまざま

医療従事者が摂食障害、過食症をどう捉えているのか、医師自身の摂食障害、過食症への認識、病気としての深刻さの理解は、患者さんの病識の程度を大きく左右します。

摂食障害、過食症が多面的で多様な病気であるがゆえか、摂食障害、過食症についての考え方や治療の仕方は、専門家の間でも様々で、まるで逆のことを理念として掲げている場合すらあります。

摂食障害医療が抱える混とんは、患者さんが医療機関を頼ろうと思えなかったり、治療離れが起きやすい要因でもあるでしょう。

摂食障害を専門に診る医療従事者や専門家は、病的な食行動の線引きについてどう考えているのでしょうか。

過食や自己誘発性嘔吐をダイエットの延長として捉え、それらの症状の全てが摂食障害、過食症なわけではない、と考えている医療従事者もいるようです。

私は、これを、とんでもないことだと考えます。

身体的飢餓による過食衝動の存在に、一切の否定の余地はありません。

それは摂食障害、過食症の過食衝動をさらに大きくしうるものです。

食料不足が無い環境で、美しくなるために痩せようとした時、身体的飢餓に陥るまで、つまり生理的な過食衝動が起こるほど体重を減らしてしまう背景には、摂食障害、過食症における「やせ衝動」が関わっています。

端的に言えば、やせ衝動のない人は、そこまでストイックにダイエットしません。

ダイエットに限らず何事にも過度にストイックな傾向は、摂食障害、過食症の方によく見られます。

自己誘発性嘔吐に関して言えば、意図的に嘔吐行為に至ったのであれば、その回数や頻度に関わらず、やせ衝動、排出衝動の関与は疑いようがありません。

病気の関与があるからこそ、動物である人間が、本来の生理的な行動を踏み外すのです。

医療従事者が、たまに見られる過食や自己誘発性嘔吐をダイエットの延長と見なし、見逃すことは、過食症、摂食障害の本人が「過食のみだからマシ」「たまにだから大丈夫」と思って、治そうとしないことと似ています。

これは、医療の側が、患者さんの病識の欠如や、病気の深刻さの持続的欠如を後押しし、依存症としての「慢性の自殺」に手を貸してしまっている状況です。

医療従事者、専門家までもが、摂食障害の病態である病識の欠如に巻き込まれているか、医療者自身が摂食障害であるがために、異常の線引きができなくなっているか、いずれかの要因が考えられます。

摂食障害、過食症を治そうという時に、医師を含む医療従事者、専門家までもが、その病態である「病識の欠如」に巻き込まれてはいけません。