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【11】-3 摂食障害と多重嗜癖(cross addiction クロス・アディクション)

摂食障害・過食症は、食べ物や食べることに関する依存症でもあります。

依存症には、依存対象が二つ以上存在する多重嗜癖(cross addiction)という問題があります。

依存症の治療上、多重嗜癖という概念は欠くべからざるものです。

嗜癖とは、広義の依存症を指します。

アルコールや薬物などの物質だけではなく、行為、人間関係に及ぶ、「コントロール出来ない悪い習慣」が嗜癖です。

物質の嗜癖には、アルコールや薬物の摂取によるものがあり、

行為の嗜癖には、ギャンブル、セックス、暴力、自傷行為、万引き、買い物、仕事、インターネット、ゲームなどがあり、

人間関係の嗜癖には、恋愛、夫婦間暴力、家庭内暴力(思春期青年の親虐待)、虐待、いじめ、パワーハラスメントなどがあります。

人間関係の嗜癖の背景には、共依存があります。

例えば、男性から暴力を振るわれても、その男性から離れられない女性には、共依存になりやすい性質があります。
(もちろん、それで暴力を振るう側の加害者としての免責が発生するとは毛頭思いません。)

摂食障害・過食症の場合、食べ物そのものへの依存、食べ方や過食嘔吐行為、チューイングへの依存があります。

下剤や利尿剤などの薬物の誤用もあり、これも物質と行為双方にわたる嗜癖です。

摂食障害・過食症の場合も、依存症という特性上、多重嗜癖の問題を無視できません。

治療上、ひとつの依存対象だけに目を向けていると、その依存が減っても、別の依存が増えている、ということが往々にして起こります。

過食、過食嘔吐やチューイング行為がおさまっても、一方で飲酒量が増え、アルコール依存症に陥ってしまっては、元も子もありません。

摂食障害にアルコール依存症を合併する時、その死亡率は倍以上に跳ね上がります。

摂食障害・過食症を発症しているということは、上記の物質や行為、人間関係の嗜癖の共存も十分あり得るということです。

摂食障害の患者さんによく見られるくり返す万引き行為も、多重嗜癖の要素を孕むものです。

過食嘔吐をしている私は最低です。