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【10】-5 妊娠糖尿病 ① 概要

妊娠中の母体に高血糖を認め、お産の後には正常化するものを、妊娠糖尿病といいます。

母体の高血糖はお腹の子どもに影響し、赤ちゃんが生まれてから低血糖となりやすかったり、母体に比して大きすぎる赤ちゃんになったりします。

妊娠に伴い、母親の身体にはさまざまな変化が見られますが、糖代謝にも変化が起こります。

インスリン抵抗性が上がって、高血糖となりやすくなるのです。

これは、お腹にいる胎児にとっては、糖分豊富な血液が胎盤に届けられるため、利に働きます。

しかし母体にとっては、インスリン抵抗性がついた分、膵臓から普段よりたくさんのインスリン分泌が必要となります。

膵臓に妊娠で需要が増える分のインスリン分泌能力が無い場合、妊娠糖尿病が発症します。

妊娠糖尿病の場合、2型糖尿病を発症するカラクリとほぼ同じことが起こっています。

妊娠という一時的にインスリン抵抗性が増強した状態に対して、膵臓が余剰分のインスリンを分泌できない、ということです。

妊娠糖尿病の発症は、インスリン抵抗性のつきやすさや、膵臓のβ細胞の疲弊しやすさを表すものです。

事実、妊娠時に妊娠糖尿病を発症した方は、将来的に2型糖尿病となりやすいことが知られています。

私が医学生の頃には、妊娠糖尿病は妊娠時だけに見られる特殊な病態で、その後は予後良好な病気と習いました。

現在では、妊娠糖尿病の発症は、将来の2型糖尿病予備軍ということで、慎重に内科で経過観察されるべきものです。