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【10】-3 2型糖尿病 ② 子宮内低栄養の影響 その1

2型糖尿病は、「自己管理ができていない」、「だらしない」など、世間的に厳しい見方をされる場合もあるかもしれません。

生活習慣病は生活習慣が原因と誤解している方が多いのでしょうが、必ずしもそうではありません。

これといった自己管理もせず、だらしなく生活しても、生活習慣病を発症しない方もいます。

高血圧や高脂血症、2型糖尿病の発症は、そもそも胎児期に子宮内低栄養に曝されたことに端を発している場合があります。

その場合、2型糖尿病の発症に深く関係しているのは、その方の生活習慣でも自己管理でもなく、母体の低栄養です。

母体に「やせ」や低栄養があると、子宮は、胎児にとって生きるか死ぬかのサバイバルの場と化します。

強い生命力があれば、過酷な子宮内の環境を生き抜いて、この世に生まれてきます。

それは、その赤ちゃんが胎児期に、過酷な子宮内において死ぬよりはマシな取捨選択をした結果です。

その取捨選択の結果、その赤ちゃんは将来以下のようなリスクを背負うことになります。

・膵臓でのインスリン分泌能力の低下やインスリン抵抗性増強が起こりやすく、糖尿病(2型糖尿病、妊娠糖尿病)になりやすい。

・腎臓を原因とする高血圧になりやすい。

・肝臓の発育抑制の影響で高脂血症を発症しやすい。

・高血圧、糖尿病、高脂血症など複数が併存することで、動脈硬化性病変が起こりやすい。(メタボリックシンドローム)
 脳や心臓など重要臓器の血管に動脈硬化が起こると、心筋梗塞、脳梗塞など重大な病気につながる。

子宮内低栄養があると、それを生き抜くために胎児は取捨選択せざるを得ません。

その結果、生き物として備えるべきあらゆる生体能力の余力の幅は、かなり狭められてしまいます。

子宮内を生き抜くため獲得した胎児期の体質は、将来、2型糖尿病などの生活習慣病にかかりやすい体質となって残り、いずれ自分自身に牙をむくようになります。

胎児期の子宮内環境が将来の生活習慣病といかに結びついているか、興味のある方は、【9】-3 Baker仮説とDOHaD ①~⑳ をご覧ください。