【10】-2 糖尿病とは ④ インスリン
膵臓の内分泌器官であるランゲルハンス島にあるβ細胞が、インスリンを分泌します。
ちなみに同じランゲルハンス島にあるα細胞がグルカゴンを分泌します。
インスリンの分泌を最も刺激するのは、食事を摂ることによる血糖の上昇です。
インスリンは、人の身体の中で唯一血糖を下げる作用をもつものです。
一方、血糖を上げる生体内の物質は、グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、甲状腺ホルモンなど複数存在します。
糖や酸素は、血流に乗って身体をめぐり、身体のすみずみの細胞にまで届けられます。
インスリンは脳細胞を除くほとんどの細胞に作用し、血液中から細胞内への糖の取り込みを促進、糖利用を促します。
インスリンは、細胞の外にある血液中の糖を、細胞内に送りこむことで、血糖を下げます。
インスリンの作用によって、細胞は糖を利用し、新たな蛋白質を作り出し、新鮮な酵素も多く供給されます。
インスリンによって作り出された新鮮な蛋白質や酵素によって細胞代謝が活発になります。
また、余分にある栄養源をグリコーゲンや脂肪に変え、エネルギー源として蓄えます。
インスリンは、高血糖を防いでくれるだけではなく、糖などのエネルギー源を細胞内で活発に利用し細胞代謝を良好にし、余剰分の栄養を蓄えるためのホルモンでもあります。