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【10】-2 糖尿病とは ③ 糖の代謝・調節 インスリンとグルカゴン

生命維持に必要なのが、酸素と糖です。

生体内で利用される糖は、ブドウ糖であり、ブドウ糖のことをグルコースとも言います。

私たちは常に呼吸し、一定の酸素を身体に補給していますが、糖はそういうわけにはいきません。

私たちは、1日3度の食事から糖を得ています。

食事によって、消化管内に大量の栄養が取り込まれます。

それらの栄養は、小腸から糖、アミノ酸、脂質として体内に吸収されます。

人の身体は食事のたびに高血糖の危険があります。

そうならないのは、血糖の上昇を感知した膵臓がインスリンというホルモンを分泌するためです。

インスリンは、肝臓、骨格筋、脂肪組織など、糖の貯蔵庫でもある臓器に働きます。

肝細胞、骨格筋細胞で積極的に糖を取り込み、利用し、糖をグリコーゲンという保存用物質に変換するのがインスリンの作用です。

さらに、インスリンの働きにより、余剰分の糖は脂肪となり肝細胞や脂肪細胞に貯蔵されます。

食事で大量に取り込まれる糖は、つぎつぎと糖貯蔵臓器に取り込まれることで、血糖の上昇が抑えられます。

インスリンは高血糖を防ぐかなめのホルモンであり、また生体内で高血糖を防ぐ物質はインスリンのほかにありません。

絶食時など、血糖が下がったときには、膵臓からグルカゴンというホルモンが分泌されます。

グルカゴンは、肝臓で貯蔵しておいたグリコーゲンを糖に変えたり、脂肪やたんぱく質から新たに糖を作り出すよう働きかけるホルモンです。

グルカゴン以外にも、副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールや、交感神経伝達物質であるアドレナリンに、同様の作用があります。

低血糖は脳の活動低下につながる緊急度の高い異常事態なので、グルカゴン以外にも、血糖を上げる機構がいくつか存在します。

絶食や飢餓時には、グルカゴンなどの血糖上昇ホルモンが優勢に働き、肝細胞は糖を利用するのではなく、作り出す方に働きます。

肝細胞自身も、糖では無く、脂肪酸を利用してエネルギーを得ます。

このとき、代謝産物としてケトン体が産生されます。

そして、このケトン体が脳においては糖に替わるエネルギー源となります。

ただし、このケトン体は酸性物質であり、大量に産生されると、体内のpHが下がってケトアシドーシスという病的な状態に陥ります。

私たちの食行動の流れは、起床時、1日3度の食事と、夜間、睡眠時の比較的長い間の絶食、が標準的でしょう。

ほぼ24時間の単位で糖代謝は調節されており、グルカゴンなどの血糖上昇ホルモンとインスリンが絶妙なバランスで働き、血糖は巧妙に調節されています。