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【9】-3 Barker仮説とDOHaD ⑮ 「やせ」の影響はいつ出やすい?

Barker仮説やDOHaDのメカニズムは遺伝子レベルの変化です。

とくに遺伝子発現制御系の変化、エピジェネティクスの変化といわれています。

受精卵以後、遺伝子の配列が変わることはありません。

しかし、同じ遺伝子配列でも遺伝子の発現の仕方によって、あらわれる結果(表現型)は大いに異なります。

この遺伝子の発現をコントロールしているもののひとつが遺伝子発現制御系です。

受精卵から胎児期、新生児期、乳幼児期に至るまで、発達期にはその環境の質に合わせた遺伝子レベルでの変化が起こります。

この変化はある時期を過ぎると固着し、生涯続きます。

母体が飢餓に追いやられたときに、飢餓が受精時期に近いほど、その子どもに生じた遺伝子レベルでの変化が長期間存続していた、という研究があります。

子宮内が低栄養である場合に胎児に起こる遺伝子レベルでの変化が、出生後の生活習慣病を発症しやすい体質を作ります。

そしてその遺伝子レベルの変化は、精子と卵子が合体する受精期に近ければ近いほど深刻なものとなると予測されます。

母親の低栄養の影響は、受精時期に近ければ近いほど深刻となることが予測されます。

女性が妊娠に気付いたときには、ふつうは受精後数週たってしまっています。

妊娠する前から母親の栄養状態が良好であれば、おそらく受精時にも良好でしょう。

つまり、妊娠する前から母親となる女性の栄養状態を良好に保つことが重要なのです。