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【9】-3 Barker仮説とDOHaD ⑤ しくみ 2型糖尿病 その2

母親の「やせ」や妊娠中の体重増加不良は母体血の低血糖をまねくでしょう。

少ない量の血糖を節約すべく、胎児は身体のインスリン抵抗性を上げます。

筋肉などで使う血糖を節約し、少しでも多くの糖を重要臓器である脳に配分するためです。

また、十分な血糖の上昇が無ければ、適度なインスリン分泌につながらず、胎児の膵臓の発育が阻害される可能性もあります。

このように、胎児は自身の身体をエネルギー倹約型に傾けることによって、子宮内の低栄養を生き延びます。

母体の低栄養の環境に適したエネルギー倹約型の体質は生後も持続し、変化することはありません。

胎児期は変化に寛容な時期ですが、その時期は限られており、時期を過ぎると変化が固定・定着します。

これを可塑性といいます。

子宮内の状況から、胎児は食料不足の環境に適した身体で生まれてきます。

母体の低栄養が食糧事情に関係が無い場合、生まれた環境が食料過剰である場合もあります。

その場合、子宮内で獲得したエネルギー倹約型の体質がアダとなります。

インスリン抵抗性のついた身体は、高血糖になりやすいでしょう。

膵臓の発育が不良であれば、インスリン分泌不全になりやすいかもしれません。

インスリン抵抗性の増加と、インスリン分泌不全は、2型糖尿病の病態そのものです。

これが、子宮内の低栄養から低出生体重児として生まれた子どもが、将来2型糖尿病を発症しやすいしくみです。