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【9】-1 ④ 妊娠初期・着床後

受精卵の発生から7日前後で、胎児は母体の子宮に着床します。

着床してからは胎盤の基礎となるしくみが刻一刻とできあがっていきます。

着床の前後から、胎児は母体から栄養を得ています。

胎盤ができる前の胎児は卵黄嚢で栄養されている、という表現もあります。

しかし、卵黄嚢の内容液は、胎児が胚盤胞の状態のときに母体の子宮内腔の分泌物が取りこまれたものです。

胎児が卵黄嚢で栄養されている時期にも、母体の状態はすでに胎児に反映されています。

着床後には、母親から栄養や酸素をもらうための基盤がしっかりしていきます。

これは、母親の現在進行形の栄養状態が、胎児に反映されるようになるということです。

しかし、発生の初期には、母体に比して胎児は非常に小さい状態です。

そのため、母体の栄養状態が一時的に悪くても胎児は持ちこたえられるようです。

また、人の身体には常に代謝回転があります。

人の筋肉や骨は、一部壊され、一部新しく作られています。

この代謝回転の際、蛋白質やカルシウムが母体の血液に放出されます。

母親の口にするものだけが胎児を養うのではなく、母親の身体それ自体が胎児の栄養となります。

母体の基盤がしっかりしていれば、「つわり」で母親が一時的にものを食べられなくなっても、赤ちゃんに大きな影響がでないのはそのためでしょう。

母体の基盤がしっかりとできている場合とは、母親となる女性がそれまでの人生を良好な栄養状態で過ごし、母体となる身体に各種栄養の蓄えが十分にある状態です。

着床後は、母体と胎児は胎盤の基礎となるしくみでもってしっかりとつながります。

胎児は母親の血液から生命維持に必要なほとんどすべてのものを得ています。

母親が口にするものと、母親自身の身体でもって、母親は胎児を100%養っています。

母親の栄養状態が悪いことが、胎児に影響を与えないわけがありません。

母親の状態は、その血液や分泌物を通して全て胎児に伝わっています。

妊娠前から母親に栄養不良の既往があり、母体としての基盤がしっかりしていないことが予測される場合、妊娠中の母親の栄養不良はより深刻な影響を胎児に及ぼすでしょう。