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【15】-3 摂食障害の専門的な治療について ④ 精神療法の立場からみた過食・過食嘔吐・チューイングへの対応

摂食障害・過食症の根本的な解決を望むのであれば、長期間の精神療法、カウンセリングが必要となるでしょう。

精神療法における過食・過食嘔吐・チューイングなどの症状への具体的な取り組みはどうなっているのか、専門書からの抜粋です。

・食行動などの症状は防衛的な産物とみなし、症状の改善を一義的な治療の目的とはしない。
(「摂食障害の最新治療」 p 189 第10章 力動的精神療法の立場から より抜粋 )

・生命に危険のない場合には、食事の摂取や嘔吐については具体的に指示せず、体重の増減にも関心を示さない。
(「摂食障害の最新治療」 p 195 第10章 力動的精神療法の立場から より抜粋)

精神療法では、過食などの症状に注目しない、さらには症状の改善を目先の目的としない、ということがはっきりと示されています。

また、以下のような記載もあります。

・治療効果の経過中に過食・嘔吐の意味を患者が分かることによって、症状が改善されていくことがある。一方それが分かっても症状が軽快しないこともある。
(「摂食障害の最新治療」 p 197 第10章 力動的精神療法の立場から より抜粋)

治療は10年近くもしくはそれ以上の長期に及ぶので、時期に応じて治療医師が変わることが多いのです。
(「摂食障害治療ガイドライン」 p 81 第7章 さまざまな治療 7-2 支持的精神療法 より抜粋)

過食や過食嘔吐の意味が分かることで症状が改善されることもあれば、改善しないこともある、というのは、精神療法の効果が出て、患者さん自身が自分の心の機微に気づいたり、心全般が楽になっていったとしても、必ずしも症状が止まるわけではない、ということを示しています。

心は楽になっているものの、症状は止まっていない、というのでは、症状を止めるために治療が必要という大前提を考えると、なんともはがゆいものです。

そのような状況で、年単位の治療を続けることができる患者さんはほとんどいないでしょう。